2025.9.16
ATMで口座振替ができる時代へ。“誰一人取り残さない”金融の新常識
クレジットカードや携帯電話料金、公共料金の支払いなど、日常生活に欠かせない「口座振替(自動引き落とし)」。便利な仕組みでありながら、申込みには書類記入や押印、郵送など、手間と時間がかかるのが現状です。
そんな課題を解決する新サービスとして、2025年10月に始まるのが、セブン銀行のATMで手続きできる『ATM口座振替登録』です。
今回は、サービスの誕生背景や可能性について、株式会社ジェーシービーの佐々木さん、西村さん、そしてATM+企画部の片桐に話を聞きました。
目次
最短1分!ATMで完結する新しい口座振替手続き
『ATM口座振替登録』は、クレジットカード代金や携帯電話料金、公共料金などの支払いに利用する口座振替(自動引き落とし)の登録を、セブン銀行ATMで24時間365日、非対面で行えるサービスです。
STEP1: JCBからお手続き用QRコードをご案内します。届いたQRコードをお持ちの上、セブン銀行ATMへ。

STEP2: 各種お手続きの「QRコードをお持ちの方」を選択します。その後、セブン銀行ATMにQRコードをかざしてください。

STEP3:お客さま番号や口座名義人などの必要事項を入力します。

STEP4: 支払いに指定する口座のキャッシュカードを挿入してお手続きが完了します。

今回、JCBカードの口座振替設定を行う場合は、JCBが発行するQRコード※1をATMにかざすだけ。画面の案内にしたがって操作すれば、最短1分で手続きが完了します。ATMならではの手軽さとスピード感が、大きな魅力です。
- ※1QRコードは株式会社デンソーウェーブの登録商標です
誰もが使いやすい、紙もデジタルも超えた新しい手続き
―このサービスが生まれた背景には、どのような課題があったのでしょうか?
佐々木:これまでの口座振替の手続き方法は、Webか書面の2択でした。
Webでの手続きは、Web上に口座情報やパスワードを入力することに不安がある方や、操作が苦手な方、パスワードを忘れてしまう方も多く、手続きが完了する前に諦めてしまうケースも少なくありませんでした。
西村:また、書面での手続きは記入や郵送の手間に加え、もし内容に誤りがあった場合は、何度かやりとりも必要です。そのため、手間も時間もかかり、面倒に感じる方も多いです。そんな中、セブン銀行様から「ATMで手続きが完結する仕組みはどうか」とご提案いただいたのがきっかけです。

株式会社ジェーシービー 業務プロセス本部 業務プロセス企画部 BPR推進室 主事 西村 問答さん
片桐:セブン銀行では、ATMを現金の入出金だけでなく、さまざまな手続きや本人確認のプラットフォームにしたいという想いがあります。口座振替の手続きもATMでできたら便利なのではないかと考え、ご提案しました。
佐々木:私たちとしても、これまでにない新しい発想だと感じました。ゼロから一緒に形にしていくイメージでしたね。

株式会社ジェーシービー 業務プロセス本部 業務プロセス企画部 BPR推進室 室長 佐々木 雄太さん
―企画の始動時、社内で課題となったことはありますか?
佐々木:お客さまにとって、本当にこのサービスにニーズがあるのかどうかは、特にこだわりました。そこで当社から提案したのが、共同でのグループインタビューの実施です。そこでさまざまなお客さまからさまざまな声をうかがい、十分なニーズがあると確信できました。
その結果、社内でも企画の必要性に対する理解がスムーズに進み、自信を持ってプロジェクトを進めることができました。
片桐:インタビューで、リアルなお客さまの声をうかがうことができたのは非常に有意義でした。これらの声は、社内での説明や他社への提案時に、説得力を高める重要な材料として活用しています。
サービスがまだ形になっていない段階だったため、操作イメージを伝える資料を用意するなど、より具体的なご意見をいただけるよう工夫しました。
―セキュリティやコストの面では、どのような工夫をしたか教えてください。
片桐:お客さまにとってわかりやすく、スムーズに使えるサービス設計を維持しながら、不正利用をさせないセキュリティを成立させる点に、特にこだわりました。
西村:お客さまを守るため、当社からもセキュリティ面はかなり厳しく要望を出しましたね。セキュリティの要の一つである、「カード名義人と、ATMで操作している人が同一人物であることを確実に確認するための仕組み」を作り上げる際には、当社も協力しました。具体的にはセブン銀行さんから想定される不正取引のリスクと対策案を複数提示いただき、セキュリティとお客さまの利便性の両面から打合せを重ねました。その結果、安全基準を十分に満たすサービスを実現することができました。
社内外から反響上々!可能性はまだまだ広がる
―サービス発表後、社内外からはどのような反響がありましたか?
片桐:カード会社や保険会社など、複数の企業から一度にお問合せをいただきました。本サービスに社会的なニーズの高さがあることを実感しています。
佐々木:社内の営業部門からは、「提携している他の金融機関では使えないのか」、「名義人の住所変更等の手続きもATMでできないか」といった声があり、サービス拡大への可能性を感じています。
片桐:お客さまからの反応も大きく、SNSでは「サービス開始が楽しみ」との声があり、大変うれしかったです。

ATM+企画部 主任調査役 片桐 倫和
―サービスの導入によって期待されるメリットを教えてください。
西村:口座設定の選択肢を増やすことで、お客さまの利便性を高められる点が、最も大きなメリットです。 また、当社では地球環境への配慮から、ペーパーレス化を推進しています。ATMで手続きを行うことで紙の使用を減らせるだけでなく、その管理にかかる事務コスト全体の削減も見込めると考えています。
ATMを、誰もが頼れる日常のインフラへ
―今後のサービス改善や認知拡大のために注力したいことを教えてください。
西村:まずは当社のお客さまに、ATMで口座振替の手続きができることの認知を広げていきたいです。将来的には、クレジットカード等の入会受付やカードのご利用で貯まったポイントの商品交換手続きなどもATMでできるようにしていきたいと考えています。

片桐:セブン銀行としては、ATMで口座振替の手続きが、さまざまな場面でより身近に、気軽に使えるようになっていくことも大切だと感じています。口座振替の対象となるサービスは、保険、公共料金、税金、習い事など多岐にわたります。今回の取組みを皮切りに、より幅広い領域に広げていきたいです。
―このサービスを通して、どのような社会的価値を実現したいですか?
佐々木:一般的に、金融手続きのハードルは高く、面倒なものと敬遠されがちです。こうした取組みによって少しでもハードルを下げ、誰もが必要な手続きをスムーズに行える社会の実現に貢献していきたいと考えています。
片桐:特に、デジタルに不慣れな方が取り残される“情報格差”は、社会全体の課題にもなっています。誰もが利用できるATMを使った手続きの仕組みを広げることで、そうした格差の解消にも貢献していきたいと考えています。「誰一人取り残さない金融サービス」の実現を目指していきたいですね。

「誰一人取り残さない金融サービス」の実現を目指す
―サービス開発に取り組んで良かったと感じたことを教えてください。
西村:これまでになかった新しい価値を社会に届けられることは、大きな喜びです。また、一緒に取り組むパートナーにも恵まれました。片桐さんと試行錯誤しながら、無事にサービスを開始できて本当に良かったと思っています。
片桐:ありがとうございます。私も同じ思いです。佐々木さん、西村さんに大きな価値を感じていただき、非常に協力的に取り組んでいただけたからこそ、実現できた企画でした。
―最後に、あらゆる手続き・認証の窓口を目指す『+Connect』(プラスコネクト)全体として、今後どのような未来を描いているのかをお聞かせください。
片桐:「手続きで困ったときは、ATMに行けばなんとかなる」と思っていただけるような世界を目指し、『+Connect』をさらに進化させていきたいと考えています。
将来的には、この仕組みをセブン銀行以外の金融機関にも展開し、どのATMでもさまざまな手続きができるようになるのが理想です。
ATMの可能性をさらに広げ、より便利で安心な社会の実現に貢献していきたいですね。

※記事内容は公開時点での情報となります。サービス等の最新情報はセブン銀行ホームページにてご確認ください。


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